「今戸焼」特集!

こんにちは。浅草ぽんやり紀行です。

前回の今戸神社に引き続き、今回も特集を組んでお送りします。

今戸一丁目のイラストマップが完成する前に気になる魔物がいっぱいなのです・・・。


今回は、今戸焼き!

伺ったのは「今戸焼 白井」さんの工房。

立ち寄ったきっかけは、なんとまさかの今川焼と勘違いしたところからです。

散歩をしていたところに風流な趣のお店を見つけた私は「あら!今戸焼ってかいてある!こんなところに甘味処が・・・?うふふ、ちょっとお茶していこうかしら・・・♪」とルンルン気分ではいった阿呆です。


店内に入った瞬間「・・・!あっ!今川焼じゃなくて今戸焼だった!」と気づきました。

呆然と展示されている餡子のはいっていない土人形の前で立ち尽くしていると

お店の奥様が「よかったらどうぞ」と冷たい緑茶を出してくださり、今戸焼やこちらの白井工房の説明書きを渡してくださいました。

なんと親切なんでしょう・・・!

こんな今戸焼を今川焼と勘違いしてはいってきたあんぽんたんに、優しく接してくださるなんて・・・!心の中では、閻魔様に「この無礼者が!!!おまえは金輪際今戸焼と今川焼を間違うことがないよう、一生今川焼を食べれない舌にしてやるへっへっへ~!」と判決が下されていたので、天まで昇るような気持ちでありがたかったのです。


気持ちを新たに、今戸焼と向き合いました。

展示されている今戸焼を見ながら、いただいた紙面を読んでいると、

なんと作業中の白井職人がわざわざ出てきてくださり、今戸焼について解説してくださるのです・・・!その熱意とやさしさに、どんどん今戸焼にも惹かれていきました!

なんでも勉強だいすき!勉強というより探索研究だいすき!

思わぬ江戸の伝統「今戸焼」との出会いに感謝しながら

どんどん面白い今戸焼の話に惹かれていきました。


ではここから、ふらりと立ち寄った「今戸焼白井」について紹介していきます。

とその前に、基礎知識。

さっくり入門編!今戸焼あれこれ~!

◎今戸焼の歴史◎

・江戸時代初期から、隅田川沿岸ではかまど業が営まれていた。今でもその名残で、「瓦町」という地名があるので要チェック!

・1657年に明暦の大火という大きな火事があり、多くの被害がでた。それをきっかけに江戸市内で焼き物は危ないなあということで、かまど業地が今戸に移転。

・それから今戸で焼く瓦は「今戸焼」として広く認知され、ブランド化。

・その後、瓦だけでなく、生活雑貨・日用品などの今戸焼も江戸庶民の馴染みのものとして愛された。文芸や浮世絵にも人々の生活場面で登場している。


◎「今戸焼白井」◎

現在、今戸焼をつくっているのは、6代目の白井裕一郎さん。なんと台東区指定生活文化財保持者でもいらっしゃる。招き猫などの人形・寺社への縁起物などを制作されている。今戸の唯一の職人さん。優しい奥様とお母様も共に家族で今戸の伝統を守られている。

こちらが阿呆のわたしが甘味処とおもった「今戸焼白井」さんの工房です。

一見、焼き物の工房というよりもおしゃれ茶屋のようにも見えるので訪れる方は「あんみつがあるかも・・・」と入らないように注意!



優しい気遣いと冷たいお茶が心と体に沁みました。

そして、すぐ傍には昔ながらの横座りの招き猫。招き猫はもともとは神社の狛犬の姿を模して、横座りだったそうな・・・!そして招いた福が逃げぬよう、首元できゅっと絞めて「まるしめねこ」なんていったそうな・・・!江戸時代の商売繁盛の縁起の意味も込められているんですって・・・!ほほうおもしろい。





手前にあるのが今年の新作!白井職人の干支今戸焼です~!

毎年オリジナルで干支をつくっているので、種類も豊富!

可愛いもちもちの白玉のような顔づくりです。

太鼓の上には「ぴーっ」と鳴きそうな雛鳥ものっています。

こちらなにげなく手元にある「鳥+太鼓」セットは、「閑古鳥が鳴く」という天下泰平の意味があるそうな・・・!



こちら奥にあるのが、稲荷神社でお馴染みの「鉄砲狐(てっぽうぎつね)」です。

稲荷神社では、きつねが神様の使いとして縁起物・願掛けなどの願いを込めて鉄砲狐が置かれています。



こちらは「おかめの火入れ」です。

なにやらたくらんでいそうな「むふふ」と声が漏れそうな表情ですね。

今戸焼はひとつずつ、手作り。作品を見ていて、ひとつずつ違う表情なのが

まるで生きているみたいに、一体一体に個性が芽吹いているのを感じました。

おかめの火入れは、中は空洞になっており、底に灰を敷いて炭を焚いて火種にしていたそうです。浮世絵で、煙管を吸う江戸庶民の隣に「あたしゃかわいい小物ですよ。」と座っているおかめ、実は火入れだったのです・・・!実用品だった・・・!これで浮世絵を見るたのしみがひとつ増えました。



どろん。「今戸のかっぱ」です。

今戸には河童も住んでいた・・・!?

「伝統からオカルトまで、今戸」と、どこに使うわけでもないタイトルが浮かびました。

わたしの世代で「河童」と言いますと、おかあさんといっしょの名曲「かっぱなにさま?かっぱさま!」が脳内で流れます。


懐かしの歌に「かっぱはつよい♪ つよいはかっぱ♪」とのってきたところで今戸の河童に戻ります。

その昔、困った河童を救った人が河童の恩返しで大金持ちになったというお話があり、それららかっぱの今戸焼は縁起物として、どの家でも神棚に祀られるようになったそうです。ほほう、面白い昔話もあるんですねえ。



そんなこんなで今戸焼特集でした~!

たのしい勉強ができてお腹もいっぱいになりました。

またひとつ、浅草の町のことが知れて本当にありがたかったです。



それではこちら!今回のイラストまとめです~!


良い学びができたのでたのしくまとめましたっ!


~おまけ~



白井ご夫婦のあまりの優しさとお心遣いにアタフタ・・・!

本当に貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。




では!浅草ぽんやり紀行をご覧いただきありがとうございましt!


次回へ! つづく~!




浅草ぽんやり紀行

浅草の魅力を散歩を通して発信。お届け。

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